大人よりも長い時間お布団の上で一日を過ごす赤ちゃん。眠る環境を整えることは赤ちゃんが快適に過ごす上でとっても重要です。
ベビー布団の選び方について、寝具老舗ブランド西川の広報担当 森 優奈さんにお話を聞きました。
目次
ベビー布団はいらない?いる?いつまで必要?
「ベビー布団」とよく聞きますが、大人用の布団とどんな違いがあるのでしょうか? 意外と知らない方も多いのでは?
今回は、取材にご協力いただいた寝具老舗ブランド西川の広報担当 森 優奈さんからお聞きした情報を元に紹介していきます。
まず、ベビー布団とは、赤ちゃん専用に作られた布団のこと。大人用の布団との大きな違いとしては、敷布団の固さがあるそうです。
森さん「西川のベビー布団は、まだ体が小さく、骨がやわらかい赤ちゃんの体をやさしくサポートできるよう作られています。例えば、寝返りができない赤ちゃんの場合、大人用のふかふかの敷布団だと、体が沈み込んでしまい窒息などの危険も。そのため、大人用に比べて硬めに作っているんです」
森さん「また、赤ちゃんは新陳代謝がよく体温も高めなので汗っかきですが、体が小さいので冷えるのも早いという特徴があります。そこで、ベビー用掛け布団は、軽さに加え、汗をかいても湿気がこもらないような『吸湿発散性』と、冷えた体を温めてくれる『保温性』にすぐれている素材を選んでいます」
このように大人用の布団と違い、ベビー布団は赤ちゃんの特徴に合わせた寝具なんですね。
- ベビー用敷布団:大人用に比べて硬め(赤ちゃんの成長をサポート)
- ベビー用掛け布団:軽めで湿気がこもりにくい(赤ちゃんの体温管理をサポート)
ちなみに、ベビー布団を使うのは2才ごろまでが目安とのこと。「3才ごろから、キッズ用か大人用の布団に変えるお客様が多いです」と森さん。
また、日本では、2才までの赤ちゃんが使う繊維製品には、発疹など皮膚トラブルが起きやすいホルムアルデヒド(ホルマリン)の基準が設けられています。一般的なベビー用の布団であれば基準をクリアしたものなので、そういった意味でも、赤ちゃん専用のものを使うほうが安心といえそうです。
質のいい睡眠は赤ちゃんの脳・体・心を成長させる
昔から「寝る子は育つ」と言いますが、睡眠は赤ちゃんの成長にとても重要であることもわかってきています。寝入ってからすぐに分泌される成長ホルモンは、筋肉を増やし、骨を伸ばすことが知られていますが、1〜5才ごろの幼児期に最も多く分泌されるそう。
さらに、朝起きる前に分泌される3つの物質「ACTH・コルチゾール(体を元気に活動させる)」「ノルアドレナリン(頭を活性化させる)」「セロトニン(心の健康をサポート)」はそれぞれ脳や体、心を活性化させるということで知られています。
森さん「生まれたばかりの赤ちゃんは大人のように睡眠リズムが整っていないので、眠りが浅かったり、昼夜逆転しまったりということがありますが、徐々に大人の睡眠リズムに近づいていきます。眠りを整える時期に、快適な寝具でサポートしてあげてほしいなと思います」
ベビー布団の選び方1:レギュラーサイズとミニサイズどっち?
睡眠の重要性がわかったところで、いよいよベビー布団選び! まずは気になるサイズを調べてみました。
ベビー布団には、ミニサイズとレギュラーサイズの2種類があり、ミニサイズは1才ごろまで、レギュラーサイズは2才ごろまでの使用目安のものが多いよう。
1才の平均身長(※1)が男の子で74.8㎝、女の子で73.4㎝なので、寝返りをすることを考えると大きめの方が安心かもしれませんね。
- ミニサイズ…約60×90㎝(1才ごろまで)
- レギュラーサイズ…約70×120㎝(2才ごろまで)
ちなみに、「西川のベビー布団は、2才まで使っていただくことを想定し、レギュラーサイズのみの取り扱い」ということです。
※1 厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査」より1年0〜1ヶ月未満の平均身長
ベビー布団の選び方2:セット購入と単品購入どっち?
続いて、敷布団や掛け布団の一式がセットになっている「セット購入」か「単品購入」はどちらがいいの?
森さんによると、「出産前にセット購入されるお客様が多い」そう。
実際赤ちゃんが生まれると、授乳やお世話で気軽に買い物に行けなくなりますし、ネットで探すのもそこそこ手間がかかるもの。生まれる前に一式で買っておいた方が買い忘れもないですし、気持ちもラクかもしれません。
逆に、兄弟がいてベビー布団をすでに持っているという人や、必要な時期に見極めて少しずつ買い足していきたいという人は、単品で揃えてもよさそうですね。
ベビー布団の選び方3:基本は「敷布団・掛け布団・シーツ・カバー・枕」の5つ!
これを揃えれば安心! ベビー布団セットに入っている基本のアイテムを教えてもらいました。単品で揃える人も参考にしてみて。
敷布団
森さん「敷布団は寝返りがしやすく、赤ちゃんの体が沈み込まない硬めのものをおすすめしています。西川では、スタンダードな固わたの敷布団のほかにも、洗濯機で丸洗いできるよう4つのブロックにわかれる敷布団や、床面側が凸凹しているウレタン素材の敷布団も人気です」
ベビー用の敷布団は基本は硬めのつくりになっているので、お手入れのしやすさで選ぶのがポイントになりそう!
敷布団シーツ
森さん「肌にやさしく、吸水性のある綿100%のものが◎。シーツは洗い替え用にプラス1〜2枚あるとこまめに洗濯できますよ。敷布団シーツだけ洗い替え用に単品購入される方もいらっしゃいます」
洗い替え用のシーツがあると、母乳・ミルクの吐き戻しや、おねしょをしてしまっても慌てずにすみそうですね!
掛け布団(薄手と厚手)
森さん「掛け布団の素材は、主に『羽毛』と『合繊(ごうせん)』の2種類があります。羽毛は、保温力や通気性、軽さにすぐれている天然素材。合繊は、洗濯に強く、お手入れのしやすが特徴です。
ちなみに、西川の布団セットには、掛け布団は薄手と厚手の二枚が入っているものもあります。春や秋の肌寒い時季は厚手1枚、冬は厚手+薄手、夏は薄手1枚を使うなど、気温によって調整できるのがメリットです」
価格は合繊の方がリーズナブルなので、予算と相談しながら選んでみて。
掛け布団カバー
森さん「肌に直接触れるものなので、綿100%がおすすめ。掛け布団カバーをこまめに洗えば清潔を保てます。お気に入りの柄を選ぶと、寝かしつけの時間も楽しくなりますよ」
赤ちゃんの肌は大人の肌よりも薄くデリケートなので、肌にやさしい素材を選んでみてください。
枕
ベビー用枕は大人用とは違い、低いのが特徴です。
森さん「西川のベビー用枕は、赤ちゃんのやわらかな頭を包み込めるよう真ん中にくぼみがあります。また、肌触りのいいニット素材なので、赤ちゃんの汗を吸収してくれます」
頭の後ろは特に汗をかきやすいので、丸洗いできるものだとお手入れがラクそうです。
ベビー布団の選び方4:あると便利なお役立ちアイテムは?
基本のアイテム以外にも、あると便利な睡眠グッズを聞きました。必要に応じて揃えてみてくださいね。
キルティングパッド
森さん「昼寝のたびにシーツがぐっしょり……という汗っかきの赤ちゃんにおすすめのアイテム。シーツの下に敷いて使います。洗濯機で丸洗いできるのでお手入れも簡単です」
赤ちゃんは新陳代謝がよく体温も高めで汗っかきなので、こまめに交換できるといいですね。
防水シーツ
森さん「裏面に防水加工が施されている防水シーツは、汗などの湿気を敷布団へ通さないためのアイテム。上からシーツ→キルティングパッド→防水シーツの順番で敷いて使います」
おねしょ対策にも◎ですね。
タオルケットや綿毛布
森さん「肌触りがよく、薄手でオールシーズン使えるので重宝します。1枚でも、掛け布団に重ねて使ってもOK」
帰省や旅行のときなどにも持ち運べて活躍しそうです!
西川のおすすめ!人気のベビー布団セット3選!
取材にご協力いただいたベビー布団の老舗ブランド西川の森さんに、おすすめのベビー布団セットについても伺いました!
「大人かわいい柄でお手入れもラク」北欧テキスタイルの洗えるふとんセット
北欧の自然や古いアートなどを用いたテキスタイルブランド・フィンレイソンの柄が大人気。男の子ベビーに人気の「エレファンティ」、鳥をモチーフにした女の子に人気の「ムート」柄の2種類があります。
掛け布団カバー、洗える合繊掛けふとん(厚手)、洗える合繊掛けふとん(薄手)、固わた敷きふとん用シーツ、固わた敷きふとんが入った5点組ふとんセット。エレファンティ洗えるふとんセット28,000円(税込30,800円)
「ナチュラル派ママから支持!」オーガニックコットンの洗えるふとんセット
有機栽培した綿花と、オーガニックコットン100%の生地を使用。染色せず自然のままのカラーリングでやさしい風合いのベビー布団。シンプルなデザインなのでどんな寝室にも溶け込みます。
掛け布団カバー、洗える合繊掛けふとん(厚手)ウォシュロン®︎、洗える合繊掛けふとん(薄手)ウォシュロン®︎、固わた敷きふとん用シーツ、固わた敷きふとんが入った5点組ふとんセット。
ピュア・オーガニックコットン洗えるふとんセット40,000円(税込44,000円)
「ギフトにも人気の高級布団」天然素材の羽毛を使ったふとんセット
ウェッジウッドとコラボした高級羽毛ベビー布団セット。敷布団は床面側が凸凹しているウレタン素材で通気性、耐久性が◎。同じ柄の合繊洗えるふとんセットもあります。
掛け布団カバー、羽毛掛けふとん(厚手)ロシアホワイトグースダウン90% 0.3kg、羽毛掛けふとん(薄手)ロシアホワイトグースダウン10% 0.1kg、固わた敷きふとん用シーツ、固わた敷きふとん(プロファイルタイプ)が入った羽毛5点組ふとんセット。
ワイルドストロベリー羽毛ふとんセット72,000円(税込79,200円)
西川公式サイト
ベビー布団の購入後は定期的に洗濯やクリーニングし清潔に
ベビー布団を快適に使い続けるためには、お手入れも重要です。
森さんは「肌に直接触れるシーツやカバー類はこまめに洗うといいでしょう。敷布団は、干したり室内に立てかけるなどして敷きっぱなしにせず、湿気をこもらせないようにするのが衛生的に使うコツ」といいます。
ただ、自宅で丸洗いできる布団もあるとはいえ、産後は赤ちゃんの日々のお世話で精一杯……となることも。そんな時は、自宅にいたままクリーニングの「ふとんリネット」を使ってみませんか? 敷布団や掛け布団はもちろん、シーツや枕、毛布も出せちゃいます(※2)。
自宅にいたまま預けて、受け取れるので、忙しい子育て中のご家庭にもぴったり!自宅では落としきれない汚れも、クリーニングできれいに落とします。
また、小児ぜんそくなどの原因の一つと言われるダニを防ぐ「防ダニ加工」も付けられます。ぜひ検討してみてくださいね。
※2 マットレスタイプの敷き布団など、取扱除外品もあるので出す前に必ずご確認ください。
ベビー布団の選び方とお手入れをマスターして、赤ちゃんに快適な環境を
リネット編集部「ベビー布団の選び方と、お手入れについてご紹介しました。
寝具老舗ブランド西川の広報担当 森 優奈さんによると、ベビー布団を選ぶときには、次の4つについて考えるとよいそうです。
- レギュラーサイズとミニサイズどっち?
- セット購入と単品購入どっち?
- 基本は『敷布団・掛け布団・シーツ・カバー・枕』の5つ
- あると便利なお役立ちアイテム
また、ベビー布団を衛生的に保つためにも、シーツやカバー類の洗濯、湿気をこもらせないように立てかけておくのが大切とのこと。
バタバタしていてお手入れする暇がないという方は、布団のクリーニングも検討してみてくださいね」
撮影/sono(メイン写真) スタイリング/伊賀瀬(メイン写真)