だんだんと肌寒くなり、そろそろ夏服から秋・冬服に衣替えが始まるこの時期。夏服をしまう前には「しまい洗い」をすることが大切ですが、夏服は特に汗や皮脂汚れが残っていることが多いので、そのまましまうのは厳禁。
夏物のしまい洗いはどんなことに気をつければいいのか、リネットお洗濯アドバイザーの近藤さんに教えてもらいました。衣替えの前にチェックして、大切な衣類をしっかり保管しましょう。
この記事を監修した人
リネットお洗濯アドバイザー 近藤高史
クリーニング歴20年以上のクリーニング師。クリーニング会社の工場長を経て、2014年よりリネットの品質管理部門の現場責任者。メディア出演多数。趣味はランニング大会に出ること。
「クリーニングのプロの視点から、衣類をずっとキレイに保てるお洗濯やお手入れの方法をご紹介します!」
夏物のしまい洗いで覚えておきたい注意点は?
Q:夏物のしまい洗い、冬物をしまうときとの違いはありますか?
A:夏物の洋服は、冬物の洋服に比べて汗や皮脂汚れが残っている場合が多いです。
汗や皮脂汚れが残っているまま保管してしまうと、来年の夏に取り出したときに黄ばんでしまう可能性が高いのです。この黄ばみは、汗が酸化したことで発生したもの。冬物をしまうとき以上に、夏物はしっかり洗ってから保管することが大切です。
また、夏物だからと洗濯機で時短モードで洗うのはNG。しっかり洗って汗や皮脂汚れを落とすことが大切です。洗濯機で洗濯するときには「すすぎ2回」を選択して、汚れをしっかり落としてください。
Q:一度洗った浴衣もしまい洗いした方がいいですか?
A:浴衣は着用したらすぐに洗濯するようにして、衣替えの前にも必ずしまい洗いしてください。
というのも、浴衣は肌に直接触れる部分も多く、特に首元や襟元は黄ばみやすいんです。色落ちが心配なら、クリーニング店に出すのもおすすめです。
Q:水着もしまい洗いしたほうがいいですか?
A:水着もしまい洗いすることをおすすめします。
水着は、海水や砂、お酒やジュースなどの飲み物で知らないうちに汚れていることが多いもの。また、プールの塩素がついたままだと色が抜けてしまう可能性もあります。洗面台などに水を溜めて、もみ洗いで汚れを落としましょう。しまい洗いも同じように洗いましょう。どうしても汚れが落ちない場合には、早めにクリーニングに出してからしまうのがベターです。
夏物は保管の仕方も要注意!
Q:夏物をしまい洗いした後、保管する際に気をつける点はありますか?
A:夏物の保管は特に「換気」に気をつけてください。
湿気が多いまま保管していると、変色の原因になりかねません。夏物の保管の場合、秋冬と涼しい時期を過ごすからと安心するのは禁物。定期的に新しい空気をいれてあげることが大切です。クローゼットやたんすを開き、毎日1~2時間窓を開けて空気の循環を行なってあげるのが理想。毎日が難しい場合にも週2~3回は行なってほしいですね。
保管するときには衣類同士を離れて置くことも心がけましょう。できるだけ離して保管したほうが、空気の流れが良くなります。
Q:防虫剤を使うときに気をつけることはありますか?
A:防虫剤の併用は避けたほうがいいでしょう。
種類が違う防虫剤を使うと、お互いの作用が働き、最悪の場合薬剤が溶けて、洋服に染みがついてしまったり変色の可能性にもなりかねません。
また、防虫剤は使用量が少なくても多くても意味がありません。防虫剤に記載されている使用量を守って使ってください。
Q:他にも注意する点はありますか?
A:食べこぼしが残ったまま保管をしないでください。
食べこぼし汚れが虫のえさや栄養になってしまい、衣類に虫食いが発生する原因になることも。 しっかり洗濯やクリーニングを行なってから、保管をするようにしてください。
夏は汗や皮脂の汚れが残りやすいので、しまい洗いを徹底しよう
夏物のしまい洗いと保管のポイントをご紹介しました。
基本的には冬物の衣替えと同じですが、夏物の場合はしまい洗いで汗や皮脂汚れをきちんと落とすことと、保管のときには換気に気をつけることが大きなポイントです。
また、衣替えについて詳しくは、衣替えが楽にできる方法と保管テクもご覧ください。しまい洗いが面倒なら、クリーニングも検討してみてくださいね!