ひとことでシャツといっても、さまざまな種類がありますよね。でも、「どんなシャツをどんなシーンで着るべきか?」「正しいお手入れ方法は?」と聞かれると、首をかしげてしまう方も多いはず。
そこで今回は、TPOに合わせたシャツ選びのポイントとお手入れ方法について解説します。
シャツの種類4つの見分け方
問題です。次のシャツの正しい名称は?
正解は……
- A:ワイシャツ
- B:ボタンダウンシャツ
- C:クレリックシャツ
- D:ポロシャツ
さて、あなたは何問正解しましたか?全問正解だったという方、おめでとうございます!いくつか分からなかったという方もこの機会に覚えちゃいましょう。
ただ、全問正解だった方もそうでない方も、どんなシャツをどんなシーンで着るのがベストなのか実はちゃんとわかっていないという方も少なくないはず。そんな方のために、ここからはTPOに合わせたシャツの選び方についてご紹介しましょう。
TPOに合わせてシャツを選ぼう!
ワイシャツ、ボタンダウンシャツ、クレリックシャツ、ポロシャツは、どのようなシーンで着るのが正しいのでしょうか?
お手入れ方法もあわせてご紹介します。
A:ワイシャツ……ビジネスシーン、フォーマルシーンに適している
シャツの中でもっともスタンダードなシャツといえば、ワイシャツ。ビジネスシーンはもちろん、冠婚葬祭などフォーマルシーンでもマルチに使えます。
ワイシャツの特徴は、前開きでボタンと襟(えり)とカフスがついており、襟と身頃(みごろ)が同色という点。ちなみに「ワイシャツ」は英語の「white shirts」が由来であるため、白いシャツを指すのが一般的なんです。
通常は最上部までボタンを閉めてネクタイを締めますが、盛夏時などはネクタイをせず、一番上のボタンも外して風通しを良くする着こなし(クールビズ)が官公庁などでも認められているため、着崩すことも許容されつつあります。
B:ボタンダウンシャツ……ビジネスシーンでよく見られるが、フォーマルなどではNG
小さなボタンで襟が留められている、ボタンダウンシャツ。乗馬競技「ポロ」の英国人騎手が、ひらひら舞う襟をボタンで留めたことをヒントに、アメリカのメーカーが「ポロ・カラー・シャツ」として売り出したものです。そもそもカジュアルなシャツなので、ネクタイは装着しないのが本来の着こなし方なんです。
日本では、ワイシャツとほぼ同等としてビジネスシーンでも多く見られるようになりましたが、もともとカジュアルなシャツなので服装マナーが厳しい会社やフォーマルシーンでの着用は避けましょう。特に、海外の企業と商談する際は絶対にNG。
C:クレリックシャツ……ビジネスでもフォーマルでもOK
色や柄物の身頃に、白無地の襟とカフスを合わせたシャツをクレリックシャツと呼びます。クレリックとは、神父・牧師という意味。彼らが着ているダーク色のガウンから白いシャツの襟やカフスがのぞくことに由来します。
聖職者のガウンが由来であることもあり、ビジネスでもフォーマルでも着用OKです。クレリックシャツもワイシャツと同じくご家庭で洗えるものもありますが、身頃や袖が柄物や濃色の場合、色あせが生じたり、ほかの洗濯物と一緒に洗うと色移りが生じたりするので要注意です。
D:ポロシャツ……カジュアルのみ
襟付きの半袖シャツを「ポロシャツ」と呼ぶのが一般的です。綿100パーセントあるいは綿の混紡率が高いものが多く、「鹿の子織り」や「フライス編み」など伸縮性に富むシャツです。長袖のものや、ボタンのかわりにジッパーがついているものもあります。
テニスやゴルフなどスポーツをする際に着用する人が多く、近年は職場の制服として採用されることも多くなっています。
襟がついているからといっても、ビジネスシーンやフォーマルシーンでの着用は基本NG。しかし、クールビズの影響もあってか、ビジネスシーンでもよく見られるようになりました。
ビジネスシーンでポロシャツを着る場合は、色は白、黒、紺、グレーなど無難な色がおすすめ。そして襟やそでがヨレヨレしておらず、清潔感ある着こなしを心がけましょう。ボタンを開ける場合は、第一ボタンだけにしましょう。
それぞれのシャツの洗い方テクもチェック!
シャツも種類によって洗い方にコツがあるんです。今回はそれぞれのシャツの洗い方のポイントを、リネットお洗濯アドバイザーの近藤さんに聞きました。
ワイシャツ、ボタンダウンシャツ、クレリックシャツの洗い方
ここでは、綿またはポリエステル混紡の、白または淡色のワイシャツを洗濯機で洗う方法をご紹介します。
ワイシャツを洗濯機で洗う手順
- 洗濯表示で水洗いできるかを確認。
- 襟やそで口、また食べこぼし等の汚れがある箇所に、汚れ落とし専用洗剤または食器用洗剤をぬり、歯ブラシで一定方向に優しくこする。
- 洗濯機に40度くらいのお湯、洗濯洗剤、酸素性漂白剤を入れて標準コースで洗う。
ボタン割れが心配な場合、ボタンは1~2つおきで構わないので閉めて、裏返して洗濯ネットへ入れましょう。
ただし、ネットに入れると洗浄力は低下するので汚れが気になる場合はネットに入れない方が汚れ落ちは良いです。
ワイシャツの干し方
ワイシャツの干し方のポイントは、干す前にシワを伸ばすこと。
脱水が終わったらすぐに洗濯機から取り出し、軽くたたんで手のひらでたたき、小さいシワを伸ばします。そして、両手で身頃の肩部分を持ってバサバサと振り、大きいシワを伸ばします。ハンガーにかけたら、襟・そで・身頃それぞれを引っ張って伸ばして干しましょう。
さらに、乾かす際には袖と襟を重石をつけたスラックスハンガーで引っ張りながら干すのもおすすめです。
ワイシャツのアイロンのかけ方
シャツ類のアイロンがけは、かけるパーツが多かったり、かけている途中でシワができてしまったりと面倒ですよね。
シャツのアイロンがけについては、ワイシャツのシワを簡単に伸ばすアイロンのかけ方を参考にしてくださいね!
ポロシャツの洗い方
普段着として洗濯機で洗濯する方が多いと思いますが、濃色のものは色落ちする可能性がありますし、高級なものの場合は型崩れするとガッカリしてしまいます。洗濯表示は事前に必ずチェックして洗うようにしましょう。
白や淡色のポロシャツの洗い方
普通に洗うと、襟やそで口などの汚れが落としきれません。白いポロシャツを洗う場合は、ワイシャツと同じ方法で洗ってください。
黒や濃色のポロシャツの洗い方
摩擦で色落ちの原因になるので裏返し、おしゃれ着用洗剤を使用してゴシゴシこすらず優しく押しながら洗います。何色であっても、特に綿素材の場合はシワになりやすいので、脱水時間は1分以内にしましょう。
干すときも紫外線によって色あせが起こる可能性もあるので裏返したままにします。軽く振りさばき、ハンガーにかけたら襟を整えて干しましょう。
シャツの洗い方については、ワイシャツの黒ずみや黄ばみ(脇・襟汚れ)の取り方と予防策でも紹介しています。
ワイシャツは種類によって着用シーンやお手入れを変えましょう
TPOに合わせたシャツ選びのポイントとお手入れ方法をご紹介しました。
シャツの主な種類は4つ。フォーマル・カジュアルシーンかどうかによって許容されるシャツが異なるので、気をつけるようにしましょう。
また、ポロシャツかそれ以外かで、洗い方のポイントが異なります。よく使うシャツの洗い方を覚えておくといいですね。