2024年の今年も花粉の時期が到来。毎年花粉の飛散量予測を出しているウェザーニューズに取材したところ、2024年の花粉飛散量は平年と比べると近畿から東北では平年をやや上回るエリアが多く、九州南部と中国・四国では平年並のエリアが多くなる予想。北海道は平年の約2倍と飛散量が多くなる予想だそうです。
今回は2024年の花粉情報をウェザーニューズに取材し、家に花粉を持ち込まないための衣類の花粉対策をリネットのお洗濯アンバサダー近藤さんに聞きました。
この記事を監修した人
リネットお洗濯アドバイザー 近藤高史
クリーニング歴20年以上のクリーニング師。クリーニング会社の工場長を経て、2014年よりリネットの品質管理部門の現場責任者。メディア出演多数。趣味はランニング大会に出ること。
「クリーニングのプロの視点から、衣類をずっとキレイに保てるお洗濯やお手入れの方法をご紹介します!」
2024年の花粉情報をウェザーニューズに取材!
2024年のスギ・ヒノキ・シラカバの花粉飛散量は?
ウェザーニューズ「花粉飛散量は、平年と比べると、近畿から東北では平年をやや上回るエリアが多く、九州南部と中国・四国では平年並のエリアが多くなります。
北海道では平年の約2倍と飛散量が多くなる予想です。全国平均では平年比で125%となる予想です」
スギ・ヒノキ・シラカバの花粉の飛散はいつごろがピークになりますか?
ウェザーニューズ「西日本や東海、関東では暖かくなってくる2月中旬から、北陸や東北南部では2月下旬、東北北部では3月に入ってからスギ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。
3月後半になるとスギ花粉の飛散は徐々にピークを越えて、西日本からヒノキ花粉の飛散が増えてきます。
3月中旬から4月中旬にかけて西日本や東日本を中心にヒノキ花粉の飛散ピークを迎える見込みです。気温が高めに推移すると予想よりもピークが早まる可能性があるため、ヒノキ花粉に敏感な方はご注意ください。
北海道でシラカバ花粉の飛散が本格化するのは4月下旬〜5月中旬の予想で、ちょうどゴールデンウィークと重なる可能性があります」
※参考:ウェザーニューズ花粉飛散量予想、ウェザーニューズ花粉飛散ピーク予想、ウェザーニューズ第四回花粉飛散傾向
花粉症は家に帰るとひどくなる?家の中に持ち込まない花粉対策
花粉症の時期は窓の換気を控える方も多いと思いますが、実は換気で入る花粉よりも、服について持ち込まれる花粉の方が多いと言われています。衣類の花粉対策を教えてください。
リネット近藤「まずは部屋の中に花粉を入れないことが大切。外出先から帰ったら玄関で服についた花粉を落としましょう。
花粉は、衣類ブラシやコロコロなどの粘着クリーナー、ミニ掃除機といったアイテムを使えば簡単に花粉をはらうことができます。また、それらのアイテムにも花粉がつくので、部屋の中に持ち込まないように注意しましょう」
その上で、以下の3つが衣類対策のポイントになります。
服の花粉対策1「花粉がつきにくい服を着る」
リネット近藤「対策の一つ目は、花粉がつきにくい服を着ること。表面がツルツルしている服は花粉が付着しにくく、付着しても落としやすく◎。
ポリエステルやナイロン素材、革の衣類は花粉の時期のアウターにおすすめです。逆に、ニット帽やマフラーなどのウール製品は繊維に花粉が絡まりやすいので、避けた方がいいでしょう」
服の花粉対策2「静電気が起きにくいコーデを選ぶ」
他にも、花粉がつきやすい服はありますか?
リネット近藤「静電気が発生している服と、静電気が発生していない服では、静電気が発生している衣類の方が花粉がつきやすくなります。以下の表は、素材別に静電気の発生しやすさをまとめたものです。上にいくほど静電気が発生しやすい素材になります」
ウール素材のような表面がツルツルしていなくて、静電気も発生しやすい素材は避けた方がよさそうですね。
リネット近藤「ただ、静電気の発生は素材の組み合わせによっても変わってきます。例えば、同じプラス(マイナス)同士の素材の組み合わせの方が、プラスとマイナスの素材の組み合わせよりも静電気は発生しにくいと言われています。
また、綿の衣類は静電気が発生しにくいので、組み合わせるのにおすすめです」
服の花粉対策3「柔軟剤を使うと静電気対策=花粉対策になる」
静電気対策=花粉対策なので、柔軟剤を使うのも効果的です。
リネット近藤「柔軟剤は、繊維の滑りを滑らかにするため、繊維同士の摩擦を減らし静電気防止に。また、柔軟剤や帯電防止スプレーに使われている界面活性剤には、空気中の水分子を呼び込む性質があるので、衣類の表面に水の層をつくり静電気を防いでくれます。詳しくは静電気の原因と予防策も参考にしてください」
自宅で洗えない衣類はどうすればいいですか?
リネット近藤「クリーニングに出すのがおすすめです。自宅にいたまま預けられるリネットのオプションサービス『ふんわり上質仕上げ』は、通常よりもリッチな柔軟剤で衣類の表面をコーディングするので花粉や静電気の防止効果があります。ほこりや汚れもつきにくくなりますよ」
服の花粉対策4「洗濯後は外干しではなく部屋干し」
リネット近藤「花粉対策でマストな部屋干しですが、生乾きの臭いが気になる方も多いですよね。臭いの原因となる雑菌をしっかりと除菌することで、嫌な臭いの発生を防ぐことができます」
雑菌を除菌するには?
- 酸素系漂白剤を使う
リネット近藤「『ワイドハイター』などの酸素系漂白剤でつけ置きしてから洗えば、臭い対策になります。また、販売されている『部屋干し用洗剤』のほとんどに酸素系漂白剤が含まれているので使ってみるのもいいでしょう』 - 重曹を使う
リネット近藤「消臭効果がある重曹には、臭いの原因となる皮脂汚れを落としやすくしてくれる効果が。洗濯槽に40℃くらいのお湯を溜め、水量10Lに対して大さじ1杯程度の重曹を溶かしておいてからいつもの洗剤を入れて洗濯してみましょう」
雑菌が繁殖しないよう素早く乾かすのもポイントになります。
リネット近藤「室内の風通しが悪いと洗濯物が乾きにくいので、室内の風通しをよくしましょう。本来は、空気の流れができるように窓を2カ所以上開けるといいですが、花粉の時期は難しいので、換気扇や扇風機を使って風を通して。また、湿度が高いと乾きにくいので、同時に除湿機を使うのもおすすめです」
家に花粉を持ち込まないために、4つの対策を守ろう
ウェザーニュースに取材した2023年の花粉情報と、クリーニングのプロに聞いた「家に花粉を持ち込まないための、衣類の花粉対策」をご紹介しました。
家に花粉を持ち込まないためには、次の4つの対策を守るようにしましょう。
- 花粉がつきやすい服は避ける
- 静電気が発生しにくいコーデにする
- 柔軟剤で静電気の発生を防ぐ
- 洗濯後は部屋干しする
撮影/sono スタイリング/伊賀瀬