誰でも、食べこぼしや飲みこぼしをしてお気に入りのお洋服に染みがついてしまった経験があると思います。
赤ワインやコーヒー、お醤油、ケチャップなどは一度染みがつくとなかなか取れないし、とても目立ちます。しかも、おうちで染み抜きしてみたら失敗してお洋服が台無しになってしまった、なんてことも…。
なので染みができると、そのまま諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。せっかくのお気に入りが着れないなんて悲しいですよね。
でも、おうちにあるものを使うだけで簡単に染み抜きする方法があるんです!おうちで誰でもできる「マグカップ染み抜き」をリネット専門工場のクリーニング師・古塩さんに教えてもらいました。
目次
マグカップ染み抜きとは?
「マグカップ染み抜き」はおうちにあるものを使って、誰でもできる染み抜きテクニックです。クリーニングの現場で実際に使われているプロの技を、リネットがおうちでも簡単に使える技にしているので原理はプロと同じ。
おうちにあるものとは、「お湯」です。
普段の染み抜きに使う漂白剤に加えてお湯の蒸気を使うことで、漂白剤の効果がアップするので、さらに染みが落ちやすくなります。実は漂白剤をつけて、蒸気の熱を加えて染み抜きするという方法は、プロも同じような方法を使っているんです。
「マグカップ染み抜き」で落ちる染み
古塩さんいわく「実は、普段の生活でついてしまった染みはほとんどのものを落とすことができる」のだそう。
下記のような染みは「マグカップ染み抜き」で、おうちでも染み抜きすることができます。
マグカップ染み抜きで落とすことが可能な染み
飲み物
- ワイン
- コーヒー
- お酒
- 果汁ジュース
- 紅茶
調味料
- しょうゆ
- ケチャップ
※焼肉のタレ、ミートソース、カレーなどもある程度落ちますが、完全にきれいにならないこともあります
マグカップ染み抜きの手順
用意するもの
- 液体の酸素系漂白剤(家庭用のもの)
- 食器用洗剤(いわゆる中性洗剤)
- マグカップ(なるべく口が大きいもの)
- お湯(90度以上)
- 小皿
- 歯ブラシ
「キッチンハイター」などの塩素系漂白剤は、衣類が脱色するリスクがあるので使用はNG!
通常、クリーニング店では染みの種類によって様々な薬品を使っていますが、「マグカップ染み抜き」は特殊な薬品を使うこともないので、安心して染み抜きができるのも嬉しいポイント。
どこの家庭にもあるようなもので染み抜きすることができちゃうんです。
色落ちチェック
染み抜きをしたいお洋服は色落ちチェックをしてください。
漂白剤や洗剤はお洋服の色落ちを引き起こす可能性があります。失敗しないためにも必ず色落ちチェックをしてから染み抜きをしましょう。
- 綿棒に漂白剤や洗剤をつけます。
- 1.を裏側の縫い目の部分など目立たないところにこすりつけます。
- 色が綿棒に移らなければ色落ちの心配はないので、マグカップ染み抜きを実践しましょう。
- もし色が綿棒に移った場合は、色落ちしてしまう可能性があるので、クリーニング店に相談しましょう。
マグカップ染み抜きの手順
今回はしょうゆの染み抜きをしてみます。
1.食器用洗剤と歯ブラシを準備
食器用洗剤を小皿に注いでいきます。このときに食器用洗剤を塗るための歯ブラシも一緒に準備しておきましょう。
2. マグカップにお湯を注ぐ
次に、マグカップにお湯を注いでいきます。90度くらいのお湯を、マグカップに対して6〜8割程入れてください。お湯は熱くなっているので、やけどには十分気をつけてください。
3. マグカップの上に染みが付いた部分を置く
マグカップの上に、洋服の染みがついた部分を覆うようにおいていきます。このとき、マグカップの中のお湯につかない程度においてください。
お湯の蒸気に当てることで、汚れを浮かせることができます。
4. 染みの周りから食器用洗剤を塗っていく
歯ブラシに食器用洗剤を軽くつけていきます。染みが外側に広がるのを防ぐために、まずは染みの外側から内側へ塗っていくのがポイント。
歯ブラシを持っていない方の手で、写真のようにマグカップのふちをおさえて、衣類をピンと立てると、食器用洗剤をつけやすくなります。
5. 染みにまんべんなく食器用洗剤を塗っていく
外側に食器用洗剤がついたら、次は染みの中心までまんべんなく塗っていきます。
このときに注意してほしいのが、歯ブラシで強くこすらないこと。染みがにじんでしまう可能性や、衣服が痛んでしまう原因にもなるので、軽くなじませる程度で大丈夫です。
6. お湯で染みを洗う
そのまま中のお湯で染みの部分をじゃぶじゃぶと洗ってください。
歯ブラシを使ってぐるぐる回して、汚れを落とします。このときもやけどにはご注意ください。
染みが落ちなければ、4.〜6.を何度か繰り返して染みを落としていきます。
7. 染みが落ちなければ、酸素系漂白剤を準備(染みが落ちていれば手順11.へ)
食器用洗剤だけで染みが落ちきらなかった場合は、次は酸素系漂白剤を使います。
小皿に酸素系漂白剤を注ぎましょう。
8. 4.〜5.と同様の手順で、歯ブラシに酸素系漂白剤をつけて、染みに塗っていく
食器用洗剤を塗ったときと同様に、まずは外側から酸素系漂白剤を塗っていき、次に染みの中心までまんべんなく塗ります。
染みに酸素系漂白剤を塗っていくと……分かるでしょうか。泡立ってきました。
蒸気によって漂白剤が少しずつ泡立ってきます。これは蒸気の熱と漂白剤が反応して効果がアップしているサインなんです。
9. 酸素系漂白剤をなじませて、10秒ほど置いてから、お湯で染みを洗う
漂白剤をなじませたら、染みに反応させるため10秒ほど待ちます。10秒後、そのまま中のお湯で染みの部分をじゃぶじゃぶと洗いましょう。
やけどにはご注意ください。
10. 染みが落ちたら完成!
醤油の染みがキレイに落ちました!染みが落ちたら、これでマグカップ染み抜きは完了です。
11. 通常通りに洗濯する
すすぎをしたとしても、漂白剤や食器洗い洗剤がお洋服についたままだと、そこだけ色が抜けや変色してしまう可能性があります。
マグカップ染み抜きを行った場合は、なるべく早めに洗濯するようにしてください。
1回で落ちなかったときは?
赤ワインなど色素がたくさん入った汚れや時間が経ってしまった汚れなどは、多少色が残ってしまう場合も。1回で落ちないときには、6の工程を何度か繰り返すとキレイになっていきます。
その時、同じお湯を使っても大丈夫ですが、冷めてしまって湯気が出ていない場合は沸かしたお湯にかえてください。すすぐ時にお湯が汚れてしまった場合も、再度そこにお洋服を入れると汚れがついてしまうので新しいお湯にかえてあげましょう。
マグカップ染み抜きよりも簡単に染みを落とすなら
染みには油溶性・水溶性・タンパク質の染みがあり、自分で染み抜きをするのは手間がかかるのも事実……。それなら、クリーニング店を利用するのもおすすめです。
クリーニング店を使えば、プロが適切に染み抜きしてくれるだけでなく、今回のような食べこぼしの以外の染みをキレイに落としてくれるのもポイントです。
また、クリーニング店では水洗い以外にも「ドライクリーニング」ができます。ドライクリーニングは、家で水洗いできないようなウールのコートやスーツ類、カシミヤのセーター、シルク製品などをやさしく洗うことができます。
マグカップ染み抜きの方法をマスターして、染みのトラブルとおさらばしよう
マグカップ染み抜きの方法をご紹介しました。
マグカップと塩素系漂白剤、食器用洗剤、歯ブラシなど、自宅にあるもので簡単に染み抜きができますよ。ぜひ試してみてくださいね。
また、デリケートな衣類や、染み抜きに失敗したくない衣類はクリーニング店に相談するようにしてください。